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学生発表勉強会議事録

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1月17日、「医師のキャリアパスを考える医学生の会」学生発表勉強会が帝京大学にて開催された。6大学から23名の参加があった。

司会:東京大学医学部3年 嶋田裕記


司会:これまでに様々な先生をお招きして3回の勉強会と1回の交流会を行ったが、今回の会は、学生のなかで問題意識を持っている人のプレゼンを聞こう、というもの。全部で4つのテーマで、1つ目は竹内さんが「医師の労働環境」について、2つめが吉野さんの「総合医について」、3つ目が宇敷さんの「医師養成」、最後に僕の同級生である森田くんの「医学教育について」のプレゼンをお話していただく。その後、テーマ自由でディスカッションを参加者で行います。さて、時間も押していますし、竹内さんお願いします。

竹内:はい、こんにちは、東大三年の竹内です。今日は、本来は「女性医師のキャリアパスについて」という演題で、とお話をいただいた。しかし個人的に「女性医師」という言葉が嫌いなので、医師の労働環境(とオマケで女性医師)というテーマで話したいと思う。
さて、最近よく言われている「女性医師の問題」とは何か。要するに「女性の医師が増えて、彼女らが途中で辞めたり休職したりして、その結果としてその医療施設の医師のシフトに穴が開く」という問題である。日本産婦人科学会が出している、「分娩施設における医療水準の保持・向上のための緊急提言」のなかでも、分娩を行う病院の現象原因の2つ目に「女性医師が増えたから」というのを挙げている。
よく言われている、女性医師の言い分は
 ・妊娠・出産が大変
 ・家事とか子育てが大変
 ・男性も家事・子育てを手伝え
以上のようなものであるが、明らかに前近代的な感を受ける。平塚らいてうですか、と。あ、別に平塚らいてうを批判しているわけじゃないですよ。
しかも男性の反応はいまいち。ここでM田くんとの会話の例を見てみます。M田君は今日も会場にいるかな?
まず、私の「女性医師問題についてどう思う?」という問いかけに対して、M田君は「興味ない」と。どうして?、と聞いたところ「自分は男だし」とのこと。そこで「子育ては関係ない?」と聞いたら、「子育ては関係あるっしょ」とのことでした。
つまり、この問題には新しい視点が必要だということです。女性医師の問題、なんて言われたら関係ないと男性なら思う。

では新しい視点とは何か。「家事や育児が重要、負担が大きい、両立は問題。」というが、これらは男性でも出来ることである。また、妊娠・出産は女性特有の問題、そうかな?という気もしますが、かもしれません。しかし、妊娠・出産という事象が問題ではなく、それによって休む、ということが問題。他の現象でも、仕事を休んだり減らしたりする必要があるケースはある。それを「女性医師の問題」、と勘違いしている。そうすると、男性は「女性の問題」なので興味がなくなる。確かにそりゃそうだ。また、女性が権利ばかり主張して、男性が反発し、対立が生まれてきた。

今日からは以下のように考えを改めましょう
育児・家事に協力して→家庭生活や健康を犠牲にして働く時代は終わりだ

では、問題の本当の原因は性別ではなくて何でしょうか。それぞれの問題の根本原因を考えていきましょう。
問題1:忙しすぎて、家事や育児に割く時間が無い
 ・長期間勤務を強いられている。仕事以外に重点を置いた生き方が認められていない、評価されていない  ・日中・夜間問わず、子供を預かってくれる施設が無い  ・医師以外の女性でも、保育施設待ち 問題2:仕事がたくさんある
 ・人が足りない 問題3:長時間勤務
 ・これも人が足りない 結局は、人手とお金が足りない、ということ。

自分の健康と仕事の問題についてだが、もし自分の同僚上司が病気になったときを考えたら、確かに仕方が無い理由ではあるが、自らの労働環境がさらに苛酷になるのを避けたい。要するに、分かるけど、自分的には困る、という状態。しかも、余分に働いたからといって、給料が増えるわけでもない。
今度は自分が休む場合だが、長時間休んでしまうと復職が困難。

ここまでのまとめです。
その1:人手足りない
その2:金が無い
その3:教育に払うお金がない

結局は、人手とお金ということ。

さて、どうすればいいか?人手とお金の解決方法としては
 ・医師増員  ・コメディカル増員  ・事務係増員  ・医療費の増額 医療の需要が増えているゆえ、増額は必要
 ・コメディカルや事務職員が担う役割の拡大(増員にさらにプラスして効果あり) たとえば、日本産婦人科学会が挙げているのは、看護師さんの内診を許可するかどうか
 ・職場環境を整備  ・復職支援 留学とかも含め、日本の医療から一時的に離れた人も、一緒くたに教育しちゃえばいい。これらの対策は医学部定員増(効果が出るのが10年後)よりかは早く増える
 ・院内24時間保育所の整備  ・給与体系の見直し 超過勤務に対しての残業代をちゃんと出す
 ・短時間勤務制・交代勤務 多くの医療施設では9時5時前提のシステムになっている

今回の発表で言いたかったことは、人手・お金不足を女性医師の問題に転嫁するのが許せない、ということです。終わりです。

司会:ありがとうございます。質問がございましたらお願いします。

東大3年男性A:女性医師問題、という言い方が悪いが、この問題は医学部の入学の人数が増え、男性に比べて女性は抜ける期間が若いうちに来る、というものである。しかしこれを批判することは出来ない。だって入学試験を受かっているのだから。もし「だめだ」と言うなら、定員を変更するしかない。

竹内:それもあると思います。これから定員5割増というように一応なっているので、それで改善されていくのではないか。

司会:他にご質問は。

司会:僕も質問したい。お金と人の問題、というのなら、現状は病院の努力する範囲を超えている。しかし病院もさらに努力できる余地があるのか、行政も努力すべきなのか。

竹内:やはり行政が努力すべき、だって金の制度をいじるのは行政だから。まず、行政がお金と人を増やすべき。そのために、われわれが発信していく

司会:他に何か質問がある方は。

女性 :配布されたプレゼン資料の、最後から3枚目に、「給与体系の見直し」とあるが、これはどういう意味か。

竹内:厳しい質問だ。私も知識不足だが、研修医は年収300〜500万円。当直に関して、1年目は当直手当が出なくて、2年目になって手当てが出るのが普通。また、研修医が終わると逆に収入が減る。なぜなら研修に対して病院に払われる補助金が終わるから。時間外労働に関してもきちんと労働基準法が守られていない。また、(勤務時間など)他の事柄に関しても労働基準法が守られていない。

司会:他に何か質問がある人はいますか。・・・宇敷さんはどう思いますか。

宇敷:私も女性医師問題というのではなくて、この問題を医師の労働という問題としてきちんと見ていく。必要なら予算をきちんとつける。
たとえば、医学部定員が増やされた、といっても増加分はわずかであるし、今後10年間でみたら、(定員増は10年では効果が出ないので)他にどのようなことが大事だと思うか。

竹内:復職支援。女子医大では復職支援に関してプログラムを用意したりして取り組んでいる。しかし、そのプログラムの結果がどうだったのか、というのが我々には見えない。可能なら、そのプログラムの受講者にインタビューしたいですね。やはり復職支援が即効性の対策がある。また、24時間の保育所が無いとどうしようもない。保育所を今作るとなると、今の医学生が医師になったときに変わっているだろう。やはり最初は箱物なのだろうか。

司会:女性医師問題は無い、と断言されていましたが、何かそこに突っ込みがある方はいますか。また女性で、「仕事をラクにしてくれ」というのをいいたい方はいらっしゃいますか。

東大3年男性A:結局、自分の負担が増えるから同僚の妊娠を嫌がる。だから妊娠できない。

司会:竹内さんはどうお考えですか。

竹内:そうだと思う。同僚の反発が重要なポイント。労働状況がさらに過酷にならなければ良い。給料が増えるなら良い。給料が増えないのがダメ。また、考えたのは女性医師が抜ける、というのは、お互い子供持っているならお互い様なのではないか。
たとえばグループを作って、グループ内のAさんの子供が熱を出したとしたら、Bさんが代わりに働き、別の機会でBさんが妊娠したら、先ほどのAさんが埋める、といったこと。

司会:他の質問は。

東大3年男性B:残業代が出ない問題だが、公的な病院においては単年度会計・予算枠という会計の問題もあると思う。官庁の会計システムの変更や、民営化によって会計システムの制限を少なくする、ということが対策としてあるのでは。

竹内:それは役所の問題では。

東大3年男性B:その点も役所に要望を。まぁどこまで細かく要望を出すか、というのは難しいが。
次に、公的な資金による24時間保育所を作るという案があったが、医師以外の納税者の「何で医者の保育所だけ特別に、公的な資金で整備するのか」という批判にはどう答えるか。

竹内:今は医療崩壊・医師不足が社会問題化しているので、今がチャンスである。

東大3年男性B:なるほど。

竹内:結局は、医師としての権利を主張すること。

司会:他にご質問は。無いので、次に、吉野さんの発表にうつりたいと思います。では吉野さんよろしくお願いします。

吉野:では、よろしくお願いします。慶應義塾大学4年の吉野です。医学生の会の副代表やっております。甲子園にも出てきますね。途中、野球に関連したスライドが出てくるがよろしく。出身が慶應高校です。春の甲子園にも出ていますね。
今日の私の発表は竹内さんの発表と異なる。竹内さんはポジティブ・強気。私はネガティブ。しかし、言いたいことは似通っている。

今日のテーマは日本版総合医。さて「日本版総合医」とは何か。
最近は医学が臓器別に細分化している。たとえば「私は膵臓だけを診ます。」という感じ。医学はコモンディジーズ(common diseases)を診ることも必要かと。これは街中の開業医がやっている。コモンディジーズ:内科全般+小児科、産婦人科、整形、救急。もちろん、上で挙げていないその他の分野も幅広くみていく。イギリス、アメリカではgeneral physicianという医師がいるが、それをコピペしてもつまらん。総合医の勤務には大きく分けて2通り考えられる。ひとつはクリニックでの勤務、これは開業医の方とかですね、もうひとつは病院での勤務、これはコレまでに無かった斬新な視点かと。

次に、何故今総合医、というのを考えていく。現在、日本は超高齢社会を迎えている。しかも少子化も起こっている。しかし医療のほうを見てみると、臓器別に細分化している。細分化しすぎた現状に対する対策として、初期研修導入が行われたが、初期研修の結果がでないうちに初期研修の年数が2年から1年に、とかいう論が出ている。現在よく言われているのが、医師不足で地域医療崩壊、という意見。そこで総合医を考えてみた。

現在、医者の数が足りていない。何故このようなことが発生したかというと、
 ・このまま医療費が増え続けているので、医療費増加を抑制する方法として、医師数の増加を抑えればいい、という政府の政策がある。  ・医師数の地域間格差、「田舎行きたくねーよ」、というやつでしょうか。  ・診療科によって忙しさが異なる。  ・高齢化の問題がある。人口構成が変わった。一般的に子供たちがかかる病気、おじいちゃんおばあちゃんがかかる病気は違う。しかし、今の制度は高齢社会を迎える前に作られた制度。 ここで日本の医師数を見てみる。
1000人あたりの医師数は、OECD平均で3人、日本は2人。東京は全国平均と比べて多いのだが、それでもOECD平均には届いていない。
医者が最も少ないのは、実は埼玉県・千葉県。ここ(=会場の帝京大学)も埼玉寄りで、埼京線でビューンと行ったらすぐ埼玉。
お手元の資料にもありますが、グラフで黄色で示したところが全国平均以下。西日本は意外と平均より上です。
山陰、くらーいイメージがあるけど、こんなこと言ってすみません、足りているんです。北国は厳しいですね。

次に診療科の偏在
このグラフは何か、というと、東大の初期研修臨床医の選択希望のグラフで
人気第1位:放射線科
人気第2位:皮膚科
人気第3位:麻酔科
人気第4位:耳鼻科

不人気第1位:小児科
不人気第2位:救急
不人気第3位:心臓外科

病理は少ない、という意外な事実。うちの大学でも病理の先生が悩んでいる。「9時5時で当直無いのに何で不人気なのだろう」とのこと。

次の少子化・高齢化の問題
年金のシステムなどもこれによって影響を受けている。これまでの高齢者を支える、という人口構成なら問題なかったが、現在ではシステムの見直しが必要。次のグラフも、公衆衛生とかで出てくるグラフで、高齢者の人口にしめる割合ですが
2050年:32.3%(イチローの打率じゃねーか)
次は、高齢者1人を現役世代が何人で支えるか
今:3.3人
2050年:1.3人
高齢化が進むのなら、医療費も上がる。何故か。加齢により治るものも治らなくなる。(極端な例だが)風邪を引いて病院いこうと思ったが、病院へ歩いている途中で骨折、とか。高齢者は慢性疾患が多いので、他の年代に比べて受診率が高い。さらに慢性疾患は治療に用いられる薬剤数が多い。正直なところ、こんなに使わないといけないのか、という気もするが。
次の資料は、ある町のデータで、「高齢者の疾患ランキング」
第1位:高血圧
第2位:何者か分からん
要するに分類できないもの。慶應の渡辺先生いわく「不定愁訴などない。漢方ならすべて治せる」と。また、疾病構造の変化によって、従来の臓器別専門医で医療を突き進めていけばOK、病気を治すことに主眼という医療から、cureよりcareへ医療が変わっている。しかし、いまだ臓器別専門医全盛の時代。システム変える必要がある。

では、現代はどのように時代が流れていったのか。まず、臨床研修医制度が導入された。それまでは大学卒業と同時に、出身大学に入局するのがほとんどだった。それが臨床研修医制度によって激変して、大学病院に新規に人が入らなくなった。それによって、大学病院からの医師の派遣に頼っていた公立病院が閉鎖の危機に立たされた。

例)北海道江別市立病院
内科の先生まで北大に引き上げてしまった。この問題は解決したが、方法は総合医を集めた(臓器別専門医ではなく)。ニポポという総合医育成のプログラムがあり、そこに頼んだ。

これからの地域の病院は、大学のそれぞれの教室に「人を是非おねげぇします」とお願いするのではなく、総合医を雇って、広い範囲を賄っていこう。

現在自治体病院が抱える三重苦
 ・人足りない  ・紛争だらけ  ・金無い 最悪な状況に追い込まれている。

さて、どういうことで総合医を活用していくか。
最初の話に戻るが、クリニック勤務、病院勤務の2つの形態がある。かかりつけ医は、「3ヶ月前腰痛かったのに治ったねぇ」というもの。病院にもそのような医者いたらいいので、家庭医(=開業医)にこだわらず総合医を考える。

地域を支える医療体制
 ・病院間の連携 東京都内いっぱい。例えば、新宿区には、慶應・女子医大・東医。お茶の水なら、医科歯科・日大駿河台・東大、ちょっと遠いが日本医大。そのように大学病院が都心に多いが、日本の医療を支えているのは100〜200の中小病院
よく考えたら、大学病院は紹介状無いと初回に5000円かかる、本来なら患者さんは大学病院へ行きづらいのに、普通の患者さんも居る。
余談
柔道で脱臼したので、救急へ。最初に行った病院で大丈夫だったので、さらに検査をするためまぁ一応慶應へ。その日は日曜だったので慶應の救急へ。いったら、症状が軽い患者さんばっかり。
お子様の患者:36.3度
おばあちゃん:37.?度
そもそも脱臼で受診した我々もいいのか?学生だから良いか。
 ・病院内の連携 総合医、専門医の風通しよくする

患者さんは、どういうふうに病院へやってくるのか

緊急事態:大学病院
このラインが結構ある。でも、こういう病院は専門医がいりゃいいじゃん。総合的な専門医(例:整形外科専門医)+さらにマニアックな専門医(例:膝の専門医)が居ればいい。

普段行く:中小病院、クリニック
そこには総合医がいて、専門医がいたとしても色々見れる専門医

例)
クリニックから地域病院へ⇒検査をするため
地域から大学病院へ⇒かなり難しいからプロに診てもらうため
クリニックから直接、大学病院へ⇒リアルにやばいので、すぐさま行ってください、とか

逆に症状がよくなったら、病院からクリニックへ、大学から地域へという流れも必要。

喩えとして、巨人のピッチャーを使いたいと思います 。
3種類のピッチャー
 ・いろんな仕事をしてくれるピッチャー
年間4人ぐらい良いピッチャーが。試合を患者人数で喩えると1日17人。  ・ちょっと専門分化した中継ぎのピッチャー
1日あたり3人。  ・超スペシャリスト〜押さえのピッチャー
この人、要するにすごい専門医。1日あたり3人 コモンディジーズは8割。いろんな仕事をするピッチャーが投げる割合は70〜80%。野球は上手いことをやっている。こういうふうに仕事を分担していけば良い。

アンチジャイアンツのひとがいたらやばいので、阪神も
タイガーズは巨人に〇 ゲーム差をひっくり返された。
原因:先発が少ない。中継ぎに回って、疲弊(1日4人。巨人より1日あたり1人多い)
現在の医療現場と同じ。

問題点〜診療科間の格差
大学病院は専門医なのに、別の仕事に忙殺されている。開業医がいるのに、夜間休日は電話に出ない。電話したら「今留守にしています」と言われる。

 ・昼の場合
行き先は慶應病院・代々木病院(慶應病院の近くにある病院)・クリニック
それならクリニック・代々木病院へ行きましょう  ・夜
クリニック閉まる。代々木病院にしようかな、それとも近いから慶應病院?
もちろん、重症なら迷わず慶應へいらっしゃいませ
夜間休日診療には色々問題がある。
改善策
 ・開業医に夜間診療を義務付け
持ち回りで行う  ・病院の部屋を開業医たちが借りて、夜間診療をやる  ・電話相談
今すぐ病院へ行ったほうがいい?大丈夫です、のやり取りで解決するケースは多い。
うちの子が吐きまくっている、どうしようどうしよう?→水をいっぱい飲ませればいいですよ。明日の朝、病院へ必ず連れてきてくださいね。 地域の問題点
 ・医者が居ない
例)銚子市立病院
初期研修のせいで大学に医者がいなくなったんだ、と主張する人がいる  ・高齢化
疾患が多様化 地域のモデルとして
 ・診療所  ・諏訪中央病院のような地域の中核病院 諏訪中へ行くと、諏訪中の先生は殆ど総合医。(資料中の)赤丸付いていない人だけが臓器別医療をやっている人。何でも診られるよ。大丈夫無敵、という感じ。中々上手く行っている。

今の医療崩壊を乗り切るためにどうすればいいか
 ・医師の絶対数の増加
九大の○○先生:医師は応召義務に応じよ、と。は?、という感じ。
人数を増やす必要があるが金も時間も掛かる。どちらにしろ税金は掛かる。「国立慶応大学」:一橋より多く金を政府から貰っている。時間掛かりすぎてしまう。喫緊の対策で、今いる戦力でもどうにかしないと  ・総合医増やそう
研修、総合医を増やそう。それを専門医として認めればいい
今の開業医さんも生涯教育をしる。脳外や循環器の先生が「開業します」と言って開業。でもなかなか上手くいかない。勉強が大事。教育プログラムは、そのような開業医にありがたがられるのでは。
現在、開業医をしている医師=即戦力。医師の仕事分担をはっきりさせていく。要するに医師の仕事分担の適正化。

また出ました、野球の例です。
 ・お金が掛かる人たち
ラミレス、小笠原。他の球団から金でひっぱってくればいい、とか思っているが本当にそうなのかな?  ・期待の新人  ・目覚めるべき人  ・目覚めた人  ・目覚められなかった人
日本医師会
3学会と合同で、開業医向けの生涯カリキュラムの作成を行っている。後期研修にプログラムを同意したくない、というのが日医の本音か?ある程度まとまったトレーニング期間が無い。

いかに国民に、医師が勉強しているかを知らせるか。これだけのことをした、今こうやっている。

専門医としての総合医
考え方は2つあって
 ・1領域として独立?
つまり、「総合医」という、総合的に診ることができる専門医  ・サブスペシャリティを収めた上での総合医
例えば、循環器内科の専門医が、さらに勉強して総合医の資格を取る どちらにしろ専門医として充実させる。

イギリス:GP
アメリカ:FP
これらを参考にして、日本版総合医を考えなければ

制度を時代に合ったものにしなくてはならない。力があるのは、行政?影響力はマスコミ?

以下は極論
地域の偏在は解決しない。
極論:医師が勤務地を選ぶ自由を無くす。とても合理的。だとおもうが反発がかなりあるだろう。自分も反発する。
やはり、
 ・ある程度は計画配置が必要?  ・診療科の偏在を解消すべく、定員が必要? アメリカでは、「心臓外科医になりたい」とかいう希望があると、○○病院には新人は2人ほど枠がある、のように決められている。日本では無尽蔵に取って、その後淘汰する。
学校の先生で例を考えてみる。
 ・都立高校、区立小学校みたいに、病院単位ではなく都道府県ごとにまとめて採用  ・開成の先生のように、病院別であつめる(=ブランド病院)  ・臨時教員 都道府県単位で医師を採用し、「最初の10年は稚内へ行ってくれ。10年したら札幌に戻すから」のようなお願いをする。
 ・初期研修に入る段階で診療科を決定する ある程度自由が失われるので、FAになるとか、利益を再分配する、といった制度を導入すべき。
〜MLB式利益再分配制度〜
お金持ち球団から罰金徴収。貧乏球団に配る。

さて、日本版総合医の名前を考えよう。どういう名前がいい?
UP?(utility physician)?何がいいのだろう?

後半は極論的に考えているので、穴だらけなのでご提言ください。ありがとうございました。

司会:何か質問がある方は?総合医の必要性だったり、地域医療の必要性だったり、意見だったり穴指摘だったり。

男性:諏訪中は上手くいっているが、他の病院は上手く行ってない。違いは?

吉野:
違い1:大学に人材供給を頼っていた
違い2:個別の教室から集めている。内科医の数を揃えきれず、失敗する
広い範囲で診て(総合医)、ダメだったら仕方が無いので専門家(専門医)に。
諏訪で上手く行っているのは、総合医が多いから。

男性:何故、諏訪中には総合医が集まった?

吉野:研修のプログラムが魅力的だった、でもどの病院でも実施できるかは不明。指導医の問題もあるし。地域の大きい枠組みで育てていけば…。

司会:ありがとうございます。他には?

男性:日本では最初家庭医で、検査が必要だったら中央の病院で、という枠組みで、というようなのを想定しているが、実際には大きい病院にも36.3度の患者さんが来るし、「ドクターショッピング」という言葉もある。患者さんの意識を変えるような必要がある

吉野:医療崩壊、メディアが加担した。逆にそういうところと上手く連携して総合医を上手く使う必要性があるかと。

東大3年女性:総合医の研修プログラム(案)で、「家庭医コース」・「病院総合医コース」というようになっていたが、これはプラン?

吉野:そうです。

東大3年女性:その隣に書いてある、「他の専門医に追加して」というのが分からなかったが。

吉野:これは、最初に内科とか外科とかの専門医から総合医が分化するほうがいいのか。それとも1つの独立した専門医として、総合医を導入したほうがいいのか、どっちかだろうな、という。私が賛成なのは、1つの独立した専門医たる「総合医」。

東大3年女性:あともう1つ。計画配置・FAとかあったのですが、この権利を与える主体は誰?そんな権利をすべての医者に与える「偉い人」いる?

吉野:権利は「与える」のではなく「ある」ものでは?

東大3年女性:制限前提だからダメ。逆にインセンティブを与えるべき。

吉野:だから利益再分配制度。医者いっぱい雇ったら罰金(で、医者が足りないところにその金を廻す)

東大3年女性:私が言いたいのは、医者に「金あげる」という考え方が納得できない。医者が自由に選ぶべき。医者側の自由をあんまり減らしたくない。

吉野:ありがとうございます。

東大3年男性:僕も計画配置に大反対。中堅のオッサン医師が計画配置されるべき。学生が勝手に行かされてもお互い困る。今は病院がプログラムで研修医を釣っているが、強制配置になると、学生を使いつぶすと予想される。地域間格差を解消すべきなら、おじさん医師を計画配置すべき。1人前のお医者さんを。学生は職業の自由のおいしさを知っているので、その自由を手放すのはつらいのでは。

吉野:おじさん医師たちを計画配置するのも無理では。

東大3年男性:無理だと思う。必修プログラム無いし。そもそも誰がオッサン医師の人事権を握っているのがあいまい。誰かが握る、となると医局復活?

吉野:今考えているのは、そこまで強烈な配置ではなくて、ある程度定員をしぼる。「東京で働きたいけど、神奈川になっちゃった」程度のもの。自治体規模で医師の人事を運営したほうが動かしやすい。「今年は奥多摩行ってくれ、来年は渋谷だから。」のような。

東大3年男性:動かす主体は?

吉野:新しい組織を作る。

東大3年男性:教授じゃない何か。

吉野:そう。でも行政にやらせないほうがいいと思ったので、第三者。

東大3年男性:言葉があれる原因

吉野:そうですね。

東大3年女性:やっぱり、病院が努力しないで医師が来るなら、病院は努力しない。ある程度定員に幅を持たせたほうが病院の努力が促せる。

司会:他に何か質問ありますか。同じ人ばっかり質問している感がある。

東大5年男性:どれくらいのひとが総合医になりたいのか。アメリカでの傾向は、ジェネラリストを目指す学生が減っている。給料安い・仕事の雑用多いから。地域に行くことについて。総合医になる、ということは地域に行くというベクトルだから、総合医はどっちかというと地域医療だから、どれくらいの人が現実を認識したときに実際に総合医を目指すか、という。

吉野:学生のうちでも現実は分からない。今の日本の状況で、脳外とかで余っている医者を作ってしまうというのはよくない。整形外科も実は余っている。(仕事に余裕があるので)学生に優しくしれるからいいんですけど、余っているのか、と。地方が医師不足で苦しんでいる一方で、そういう状況はありなのか?絞らざるを得ない。

司会:総合医なっていいかな、という人います?挙手を

吉野:結構いますね。3割ぐらい居ますね。

東大3年女性:3割だから、8000人中2500人か。

東大5年男性:今、低迷期だから多いと思う。徐々に現実見ると志望者は減っていくのではないか。

吉野:そのとき、プログラムがきちんとしていないと、ダメでしょうね

東大5年男性:ちゃんと最初からきちんとしたプログラムを用意すべき

司会:他にご質問は。

女性:利益再分配、によって、努力を怠り制度に甘える病院が出るのでは?

吉野:マンパワーが供給されていない病院に、人の代わりに金を

女性:プログラムがちゃんとしていて、かつ人が足りないところってありますか。病院側の努力すべき点があるのでは。それを評価したうえで再分配を使うべき。

吉野:だれがイニシアティブを握るか。弁護士なら弁護士会だし。全員強制加入団体ですしね。

東大3年男性A:利益再分配制度がいいという理由が分からない

東大3年女性:金が足りないからでしょ。

東大3年男性A:お金を持っているところから徴収する根拠が分からない。病院を説得する理屈は。「うちは努力して金を貯め、プログラムを向上させた。なぜ金を出さないといけない?」と金持ち病院は思うだろう。また、貧乏病院は貧乏なりに努力すべき点もあると思う。

吉野:お金が無いなりにやれよ、というのは上から目線では。社会もそういう流れで来ている。いろんな病院がいかにして共存していくのか、というのを考えてみる。1箇所で優秀な人間を集めたらそこの病院はいいけど、他を見殺しにするのか。よくない。ヤンキーズだけが毎年優勝、で他球団は潰れた、じゃ意味ない。これは、案としてこういうのがあるかな、という提案。

東大3年男性A:個人的にはこの案に反対だったので。

吉野:自分も案を乱発している。

東大3年女性:医療費を増やせばいい。

吉野:現在の制度は金持ちの要求にが通っている。例えば法人税・消費税。貧乏人も消費税を払う。逆進的。法人税は大企業の要請に応えて安くしている。

東大3年男性B:消費税は良くないのか。消費税は良い徴税方法だと私は思う。所得税の場合、税務署が所得を捕捉するコストがかかる。また、所得税は正直者が不利になる。例えば給与所得者は所得の殆どが捕捉され源泉徴収。一方、一部の自営業者は所得を捕捉されにくいことを利用して、脱税・節税し放題。不公平。

女子医4年女性:今問題になっている、フリーター・ホームレスの問題。正社員から見たら、「なんでこいつらを我々が働いて納めた税金で救済するんだ」という意見がある。しかし人は一人では生きて行けない。運が悪い人を「自己責任論」というので切り捨てるのはいかがなものか。だから私は吉野くんがいった、利益再分配に賛成。

東大3年男性A:反論していいですか。なんで金持ち病院から吸い取る必要が?貧乏病院への補助は医療費を使うべき。

東大3年女性:医療費から病院へ支払われる量を調整する。

吉野:そのようなことは出来るのか。利益再分配制度は地方交付税のようにやればいい。金持ち自治体は交付金を貰えない。余談だが、最近では愛知県が交付金を貰えるようになったとか。

東大3年男性A:パイを奪い合う、というのでは良くない。まぁこれが大人の考え方だが。お互いに思いやることがそれで可能か。医療費を増やしちゃえば問題は解決する

吉野:医療費増は免れない。言いたいのは、システムの問題である。考えた上で、時代にあったシステムを選択しないとならない。もちろん挙げた例は極端な論

司会:少し休憩を。

〜休憩〜

司会:再開します。始める前に、メディカルプリンシプル社のドクターズマガジンに記事が載りました。メディカルプリンシプル社の岡田さん、ありがとうございます。

司会:では宇敷さん、よろしくお願いします。

宇敷:こんにちは。宇敷です。最初の2人の方のプレゼンの上手さに感動しました。私は上手く喋れるか分かりませんが、よろしく。
先ほどのスライドで、医学連の紹介の前に「プライマリ」について書いてあったので説明を。プライマリケア医を志望するのは6%ぐらいで、6年間変化しない。大学の教育で専門医志向が強まる。

次に医学連の紹介。
全国医学生自治会連合。全国の医学生の自治会が集まって出来ている組織。
医学生がどういう要求を持っているのか、研修制度をよくしたい。ということを役所に声を届けるのを役割としています。

参加大学に「東京大学」とか書いてありますが、自治会が機能していない大学だらけ。全国の学生とどのようにネットワークを作っていくかが課題。

取り組みとしては全国のアンケートを実施。
昨日省庁交渉で、全学連と文科省へ。お金が無いと負担になるので、そのようなことが無いように、と。奨学金の拡充とか、貧困格差の拡充で大学にいけない人が多い中、奨学金を増やして欲しい、とか。これは2年前の省庁交渉の写真ですが、医学教育課長と話しあう。彼らは優しい人たち。

我々の行動によって、色々改善させている。
 ・図書館24時間化  ・カリキュラムの改善  ・CBT受験費用を大学負担にする など

学習企画とかはまだまだ不十分だとは思う。今、役員が13人で、あちこちの大学の委員がやっている。

さて、本題。今回は以下の3つについて。
 ・卒後研修の見直し  ・卒後研修はどうして始まったのか  ・医学連のアンケート結果 〜卒後研修の見直し〜
最近の毎日新聞1面に、「卒後研修を短縮する」と。文科省と厚労省の会議で話し合ってそれで出てきた。この会議には嘉山先生とか出てきている。検討会の様子。これは私が検討会10月第2回で傍聴してきたときの写真。各委員が発表して終わり、という感が。どうやって調整しているのかな。

たたき台の格子
 ・募集定員に上限を設定  ・地域医療の研修の必修化  ・偏在の対応  ・施設基準を見直し  ・給与格差が出ないように 話が昔へ戻るが、モデル事業の導入というのもある。来年度から始まるのだが、医師が不足している診療科を希望する研修医が、その科を重点的に研修できるプログラム。いろんな人から異議が出ている。聖路加の先生とか。

臨床研修制度の見直しの背景には、今の制度によって医師不足が発生している、というのがある。中日新聞のアンケートから。多くの病院が、医師不足の原因が研修制度にあると考えていて、対策を希望している。舛添大臣が「研修期間を減らしたら8000人増える」と言っていたが、単なる思い付きか。

医師不足の原因
 ・医師がそもそも足りない  ・医療費を抑制する  ・大学病院に金が無い  ・自治体が疲弊している。結果として病院閉鎖  ・医療の高度化、過密化。医療に求められるものが大きくなっている。 命を支える役割である社会保障費を抑制している、というのがある。医療費全体を増やす必要がある。
先ほど挙げた大学病院の倒産という話。今、大学への運営費交付が毎年1%ずつ削減されている。大学病院の収入を2%増やす、という目標が設定されている。結果として教育に資源が回らない。
研修制度を医師不足の原因にするのは間違い、という声も。地域全体でどう医師を育てていくか。制度を戻したところで、大学に人は戻らないだろう。大学の基礎研究重視といった姿勢を改めるべき。

〜卒後研修はどうして始まったのか〜
貧困だった日本の卒後研修
昔:インターン制度(無免許でいろいろ仕事を与えられる)
途中から:研修制度が努力義務に
2000年に研修医・指導医アンケートを実施した。読売新聞や「ブラックジャックによろしく」とかに取り上げられた。

医学連のアンケートだと
お金が無い→当直バイト→医療ミスの温床

医学連は実態を明らかにして、署名活動などを行った。署名が採択され、研修予算が43億から171億になった。その予算によってアルバイトが原則禁止へ。

医学生運動が何を求めていったか
 ・身分・経済の保証  ・研修の教育の保証  ・研修の自由の保障 プログラムをオープンに。我々に作らせてほしい。

研修が必修化された背景
さきほど挙げていた、アルバイトの問題とかもあるが、地域との接点が無く「病気を見るが、人を見ない」という声が国民からあった。また、研修の評価が十分に行われていない。必修化された制度の理念は、「医師としての人格を涵養し、プライマリケアの基本的な診療能力を習得すると共に、アルバイトせず研修に専念できる環境にする」というもの。

国民とのコンセンサスをどう作っていったか
 ・当直バイトが不安だ  ・人間を診ろ  ・初期救急の能力を(眼科専門なので何も出来ません、とかではなく) 今に戻してみると、今の見直し論には
 ・国民の視点が抜けている  ・短縮すれば8000人増える、という場当たり的な意見が。 医学連がアンケートを取った結果
 ・指導医が負担になっている。研修医がうつになっている。女性医師の問題が先ほどありましたが、うつ病で戻れない、という人をどうするかという問題もある  ・大学病院・地域病院で研修内容にばらつきが  ・研修医のモチベーション(脳外やりたいので、他の科は適当でいいや) というのがある。土屋先生が議論されていますように、後期研修がどうなっていくかもあるが、医学部教育の問題も大きいかな、と。

ここからは医学連のアンケートを紹介させてください。医学連が去年11月にアンケートを配布して行ったもの。

強制配置については、殆どが反対。賛成する声には「地域が大変なのは分かるので、仕方がない」「国立の学生は税金で育成しているからしょうがない」。反対する声は「自分の進路は自分で決めたい」とか。研修期間短縮については反対のほうが多く、「医師不足だから賛成」というのは無かった。

医師不足の対策をどうすればいいのか
 ・医療費を増やす  ・医者を増やす  ・過酷な労働を何とかする  ・女性の離職率を下げる でもこれらの問題を分けて考える必要あり

医学生として出来ること
我々は何が出来るのか、という。我々は学んでどうすればいいのか。私たち医学連としては、どうしたらいいのか、というのをみんなで議論できる場が必要。1箇所に集まる、というのが大変なので、各大学ごとにそういう場があればいい。 どうやったら議論できるか→声を集める
自分たちそれぞれが納得できる意見はなかなか難しいが、「ここが総意になるのでは」という点はある。

今後の活動としては、文科省・厚労省へ要請する。
 ・1年短縮案を研修制度の理念に立ち返って考える  ・到達具合の評価を行うべき。研修の格差が生じているのをなんとかしろ  ・急いでやる、とするのではなく、慎重に議論しろ  ・若手を計画配置してもしょうがない。やめろ  ・大学への交付金をきっちりつける 署名活動を実施中

以下はアンケート結果を更に紹介させてください
研修先の選択、どのような点を重視、強制配置を知っているか、どういう分野をやりたいか。etc…

終わりです。

司会:宇敷さん、ありがとうございました。医学生の会でも似たような話があったので、お互い協力できたら面白いのではないか。何か質問ありますか?

東大3年女性:アンケートとかを取っていて、強制配置反対、研修期間の短縮には反対、というものがあったが、医学連、宇敷さん個人として、どういう対策があると思うか。

宇敷:即効性のあるものは無い。
 ・医師の給料を上げる  ・医療費抑制というのを撤廃する などがある。医学部教育の中で、「地域医療について学ぶ」というのがあるが、地域の病院に学生が行って学ぶ機会が増えるべき。そうすれば意識が変わるのではないか。

司会:他に何か。

女子医4年女性:今の臨床研修制度はゆとり教育だ、という意見もあるが(前の制度が酷すぎだったので、ゆとり過ぎにふった)そちらについてどう思うか。

宇敷:以前の制度で落ち着いて勉強できたか。いいえ。そういう環境で頑張ってきた先生がそのような意見を言っていると思うが、そこで「がんばりなさい」なんて言われても。研修医がゆとりだ、というのではなく、そこでどのような勉強をしたのか、というのを評価する。労働条件を悪化させるべき、というのはね。

女子医4年女性:評価について。指導医が評価をしていると思うが、これからはどうすべきか。

宇敷:聖路加の福井先生とかは、国から補助を受けて、研修に関してアンケート実施中。研修医は力をつけている。10年後アンケートを実施してみて、どうなっているかが楽しみ。

聖路加の福井先生:私の意見ですが、指導医だけではなく、同僚や、2・3年先輩が評価するというのもあると良い

宇敷:アメリカでは屋根瓦形式、というちょっと上の先輩が指導する、というのがある。

司会:他に質問は?

慶應4年男性:研修の財源を増やすべき。スライド3枚じゃなくてもっとアピールすればいいのに。先ほどの吉野さんのプレゼン中に出てきたデータと、ずれている感が。

宇敷:吉野さんのデータのほうが正しいかも。我々のデータは、データに偏りがある

司会:宇敷さんありがとうございました。次は、森田君の発表へ。

森田:宇敷さんがすごいスライドをした後に恐縮ですが、制度の話も大事だと思うが、医学生としてコンテンツのところにスポットを絞って話すべきではないか、と。

現在、医学の発達によって、専門化が進んでいる。これはコア・カリキュラムの資料。いいことが書いてある。1ページ目の下とか、「社会から求められている〜〜〜急務である」、いい話だ。これらは2001年に作られた。必修として設定されているのも66%で、残りは学生・教官で好きなものをどうぞ。さて、このコアカリ、医学生増員もあるし、医学教育に社会が注目しているし、変わっていると思った。が変わってない。意外。

次に東大のカリキュラムを見てみる。
東大のカリキュラム作成に携わっている北村聖先生はコアカリ作成に携わっている。よって、コアカリ導入によって東大のカリキュラムは変わっているのではないか。みてみたら、変更なし、選択授業無し。つまり、コアカリが改定されても、各大学が改定されているわけではない。また、コアカリは2001。古い。よって実際の学生が声を大にして発信すべき。

そもそも科目はこんなに要るのか?
 ・他の科目で補完可能  ・授業が意味不明  ・誰も出ていない という現状。

先ほどのは私の主観ですが、やる気ないなら大学去れや、と思うことがある。大学に居る資格がないのではないか、とも。教育で給料貰っているのだからちゃんとしてほしい。教育を目的とした機関では、大学だけ。だから大学は教育をがんばるべき。大学の中でやる気の無い授業ばっかり受けている。担当の先生は反省を要する。

なぜ必修を減らせ、というのか。考えたのは、選択科目を導入したらよいのではないか。

コアカリが策定された2001年なんて世界同時多発テロの年。
それから
 ・インターネット  ・グーグル  ・iphone がでてきた。世の中にあわせてコアカリなども変わるべき。

東大で教えていない科目で、「あったらいいな」というのを挙げた。医療福祉学、にいたっては、東大の資料中の「本学が教えていない科目」という欄に明示してあった。なら教えてほしいと思う。宇敷さんがおっしゃっていたように、ギチギチにつめられた教育ではなく、選択の幅があったらそっちのほうがよりよい医師になれるのではないか、と。

医師に求める国民のニーズとは人それぞれ。「一生懸命勉強している先生」、「話し上手な先生」とか、大学ごとに、カリキュラムをいろんな感じにして、受験生である高校生に選ばせればいい。また、教官のポストを増やせばいい。そして科目間のコーディネーターを設ける、必修科目数を減らす、他学部の単位を認める。女子医大とかは他大学の単位を認める、というのがある。コメディカルとの合同授業を設けて、コメディカルの意識を教官が意識できるように。

学生への授業アンケートを公開。
しかしアンケートですべてを決めるのは危険。だが選択科目に関して来年度も開講するか否かはアンケートを使っても良いのでは。

僕がちょっと思ったのは、皆さんちょっと縛られてしまう所があると思う。意見として出るのは「今こんなものだからいいんじゃない?」というのがある。ぼくはこの考え方は嫌い。学生なのだから言いたい放題要ったほうがいい。その意見が受け入れられるか否かはおじいさんが考えるもの。自分のおかれた環境をよくしよう、と考えることで、環境は絶対によくなっていく、と思う。今回は、医学教育ということだが「解剖要らない」という人も居るだろう。ようするに議論が大事。

これで以上です。次のグループディスカッションでご意見を出していただければ。

司会:質問は?

東大3年女性:たたき台なので、叩きます。アンケート結果で選択科目から外す、とあるが、別に外す必要が無いのでは?人が来ないだけだし。

森田:いや、そうしないと先生が努力しない

東大3年女性:人が来なくなった時点で解雇、でいいんじゃないか。

森田:たしかに。

司会:他には。

女子医4年女性:教育ってのは、習って得、という面がある。でもこういう種類のものは自分で勉強できる。しかし逆に、「こんなの思いつかなかった」というものもある。選択制度ではそのようなものに出会わないのだから、教育の幅を狭めていることにもなる。

森田:しかし明らかにおかしい授業がある。でもこれは教え手の問題で、他大学では同じ科目でも面白いかもしれない。

女子医4年女性:科目ではなく、先生を変えていく

森田:たしかにそれは良いかもしれない。しかし、現代としてそぐわない科目もあるのではないか。

司会:他に、なければ私が質問を。必修を新しくしよう、というのは賛成。選択科目に関して、「自分の環境をよくしよう」というのはアクティビティを持った人間に違いない。その種のアクティビティを持った人間なら、大学ではなく自分で勉強すればよいのでは?

森田:でもそういうアクティビティが高い奴が、必要性の無い科目のテストで忙殺される。

司会:それを大学で提供する理由は?他の大学と単位互換なら賛成だが。どう思いますか

森田:そうだろうね。こういう議論をする際は、平均的な人間がどう、というのがある。


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